日本小児アレルギー学会2014に参加してきました。
三重県四日市市で開催された日本小児アレルギー学会2014に参加してきました。
敢えてこの田舎町で開催されたのは、以前 公害の街として知られた四日市市がほんとうに綺麗になったというのを知ってもらいたいという主催者の意向があったそうです。
相変わらずの学会ネタですが、
今回の学会でも強調されていたのは乳児期早期(殊に3ヶ月未満)からのスキンケアの重要性でした。アレルギーマーチに重要なダニの感作を防ぐためには適切な湿疹の治療が必要であり、維持療法としてプロアクティブ療法が優れている。というものでした。
また、食物アレルギーについても、感作(血液検査でIgE陽性)と実際の症状の乖離を正しく理解し、安全な食物負荷を進めるにはという議論も活発に行われていました。
ワクチンに関する教育講演もありました。
卵アレルギーがあるからインフルエンザワクチンは接種できないと思われているようですが、日本のワクチンは卵成分の残留が殆ど無く、アナフィラキシーをおこすと言われているタンパク量をはるかに下回っており、その点では何ら心配無用ということ。むしろ、防腐剤としてフェノキシエタノール(PE)が入っていた製剤でワクチン抗原に対するIgE抗体ができていたケースでアナフィラキシーが誘発されていたことが判明し、防腐剤を変更することでそのような問題がなくなったことが報告されていました。
これらのことより、私が呆れ返ったのは、日本脳炎ワクチンに対する行政の対応でした。
日本脳炎ワクチンは生後6ヶ月から接種できる(すべき)にもかかわらず、未だ持って初回推奨年齢が3-4歳とされています。この点を質問したところ、なんと昔の日本の子供たちが外に出て遊び、蚊に刺されやすいのが3歳からであったからというのが理由で、何ら医学的根拠がなく、それが今も受け継がれているだけということでした。6ヶ月になれば是非積極的に接種してくださいと言われました。現在使用されているワクチンの免疫効率がよくなったことが早期接種の一番の理由であると理解していた私には大変なショックでした。