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日本東洋医学会に参加してきました。

東京で開催されていました第65回日本東洋医学会学術総会 に参加してきました。

東洋医学会では、主に漢方薬や鍼灸を用いた治療や哲学などを学ぶことができます。

結構マニアックで叙情的な発表もあって、もっぱらEBM(Ebidenced-Based-Medicine)を重んじ、それに則した発表が主体の西洋医学の学会とは雰囲気が異なり、いつも楽しんで参加しております。

そうは言うものの、漢方薬の薬理作用についての基礎研究も進んできており、昨今その方面の発表が目立つようになってきています。

その中でも「東洋医学の発想と近代医学の最前線:未病と自然炎症」というシンポジウムがとりわけ興味深く、改めて生薬構成の妙に感心しながら聴いてきました。

人間には病原体の成分PAMPs(pathogen-associated molecular patterns; 病原体関連分子パターン)による刺激をdanger signalとしてを認識するセンサーPRRs (pattern-recognition receptors:パターン認識受容体)というものが備わっています。

ところが、人の細胞の中に留まっているある種の成分が、細胞が死んで細胞外に出ると、PRRsが感知し、炎症反応を引き起こすことが分かってきました。このような炎症を非感染性の「自然炎症」、そのような炎症を引き起こす体の中にある成分をDAMPs(damage-associated molecular patterns; ダメージ(傷害)関連分子パターン)と総称しています。

シンポジウムでは、ある種の漢方薬がこのDAMPsによる免疫反応を制御し、調整すること。一つ一つの生薬だけでは人の免疫系に影響を及ぼさなかったり、期待した効果と相反する作用を示したりする場合でも複数の生薬が合わさって一つの漢方薬となった時に有益な作用を示す。といったようなことが報告されていました。

数百年から千年以上も前に作られ、今も使用され続けている方剤を生み出した先人たちの叡智に改めて感心して会場を後にしました。

久しぶりに東京に出張したのですが、東京駅のレトロな佇まいにホッとして京都に戻ってきました。

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